2003年7月1日(火)

 

雨が降っている。
梅雨だね……しとしと。
きょうは涼しい。
ひさしぶりに長袖の上着を着てでかけた。

ケマル・ゲキチのピアノコンサートに行って来た。
いやあ、すごいパワー。

ブーニンが優勝したときのショパンコンクールで、
独創的な演奏をしたために、
最終選考には残らなかったピアニスト。
出身もユーゴスラビア(クロアチア?)とかで、
ポゴレリチの経歴と似てる。

でも、音楽性は全く違う(あったりまえか)

ゲキチも、自分の音の世界をしっかり持っていて、
技術的にはほとんどパーフェクトなピアニストだとおもった。
音がどんどんあふれだしてくるような、印象。

また、その容姿もユニークだった。
長い髪を後ろでひとつむすびにしていて、
すらっと細い体に、
派手なジャケット…。
黒字に銀の象形模様というか…。
B級映画に出てくるちょいとさえない
チンピラ兄ちゃんが着てるような服。
パンツもちょっと裾の広がった、
黒色に煮染めたような…。

それがまた、似合っていて、
ひとめみて、これは、お気に入りになりました。

年齢は、あ〜、41歳くらい?

ポゴちゃんとは違い、どうやら
パワーが外へ外へとあふれだしていくような、音楽。
すっかり「リスト弾き」になっているらしい。

ひとつひとつの音がちゃんとはっきり
響いてきたし、
きらきら輝きながらながれていく
川面のような、音楽の流れを感じた。

リストは、わたしはあんまり聴かない。
すごい曲だな〜と、おもうけど、
あとに何ものこらないというか…。
ブラームスの曲は、ぐいぐいあとをひきますが。

CDを買うとサインしてもらえる、というので、
一枚買ってきた。
演奏あと、列にならんでたら、
わたしの前にいた若いお姉さんふたりが、
「あ〜もう、おなかいっぱいって、かんじ?」
「そうだよね。いっぺん聴けば充分だよね」
などと、言ってる。

そこへゲキチさん登場!
「あ、あくしゅしてもらおう〜」
とゲンキンなふたり。
(けっこうきれいなおねえさん。
たぶんピアノをやってる音大生かな)

「ね〜ポゴレリチも聴きたいよね」
「うん聴いてみたいね」
と言い出したので、おっ、とおもってたら
「でもさ、生きてるのかな。
もう2年くらいしたら、死んじゃうんじゃない?」
「死にそうだよね〜」
が〜〜〜ん……殺さないで欲しい

ちょっと、哀しかったです。

ううポゴちゃん。
はやく帰ってきて・

ゲキチさんに、CDの説明書にサインしてもらいました。
「ネーム?」とか訊かれたので
「マリコ」といったらちゃんと名前をいれてくれました。
いいひとだね〜。
あんなに弾きまくったのに、
全然疲れていないみたい。
ポゴレリチは演奏後は、疲れ切って
ずるずる足を引きずるようにして退場していったものでした。

ゲキチさんの演奏スタイルをみてると、
頭が全然ぶれてない。
まっすぐストレートにピアノに向かっているように見えた。
コントロールがきいてるのでしょうか。

アンコールでショパンのエチュードを2曲弾いた。
よく聞き慣れた曲だったけど、
「あれ、このフレーズを歌わせるんだ〜」といった
新しい音を聴かせてくれました。
おもしろかった。
最後のアンコールは
ロッシーニの曲をリストが編曲した(のかな?)
ウィリアムテルの曲。
こんなハードなものをアンコールに?
パワー全開ですね〜。

終わったらすぐ前の席にいた女性が
友達に向かって
「2年前もこれ、アンコールで弾いてたわよね〜」と
いってた。

リピーターも多いみたい。
紀尾井ホールだったのだけど、
満席ではなかった。
男性客もわりと多く、コアなファンもいる感じ。

あ〜なかなか、満足しました。

さて、明日は取材で谷中・根津・千駄木へ。
たくさん歩くことになりそう。
晴れるといいのだけど……な。

3〜4日は広島の呉へ。
連続で取材は、疲れそうだな。
早く寝なくては。

 

まえ  つぎ