「ねっとのおやつ」 佐藤雅彦・著 マガジンハウス
「食農教育」2002年11月号 掲載

 

この本の著者、佐藤雅彦さんの頭の中って、
どうなってるんだろう!? 

身近にあるものも、
ちょっと見方を変えるだけで、
新しい発見に満ちたモノに生まれ変わる。
「あ、そうだったのか! 」
とびっくりしたり、
納得させられたり。

佐藤さんは、CMプランナーとしても
数々の名作を残しているヒトだ。

「ポリンキーポリンキーおいしさ〜の秘密はね……♪」
「バザールでござーる」
「スコーン、スコーン、コイケヤスコーン♪」など、
一度見たら忘れられないどころか、
頭にくっついて離れなくなってしまうくらい
印象的なモノばかり。
あの、大ヒットした「だんご3兄弟」も、
彼が手がけたものだ。

この『ねっとのおやつ』は、
So-netで毎日配信されていた、
インターネット上のアニメーションを、
単行本にまとめたもの。
アニメとしても面白いものを、
紙媒体用に再構成して、
ていねいにつくりあげている。

ちょっとした思いつきや、
発見は誰にでもある。
佐藤さんはそれをさらにじ〜っくりとみて、
面白がり、発想をふくらませ、
あっそうか、
と思わせるような形にして
私たちの前に差し出す。

例えば、四国とオーストラリアは形が似てるな……
とは誰でも思いつくだろう。
それを、まず北海道や九州と四国を
入れ替えてみて比較する。

さらに実際の地図上で、
オーストラリアを縮尺して
四国と入れ替えてみせてくれる。
言葉で書くと説明的になってしまうけど、
これをシンプルでカワイイ線の絵と、
実際の地図で見せられると、
おおっと思う。
ぜひ現物の本を見てください!

この面白さは、マネできそうで難しい。
誰もがなんとなく見ているけれど、
ちゃんとは見えていないもの。
それを彼は発見し、調理して、
シンプルでカワイイ作品に仕上げて、
ひょいっとみせてくれる。
子どものような好奇心を失わない、
天才だと思う。

この本の以前に出版された、
『プチ哲学』(マガジンハウス)、
『クリック』(講談社)
もぜひ合わせて読まれることをおすすめします。
(『ねっとのおやつ』のアニメが全部収録された、
CD-ROM版もあります。)


固くなってしまったり、
煮詰まってしまったりしてる脳味噌くんに、
ぜひ佐藤ワールドの刺激を。
目からウロコ、だけじゃなくて、
かさぶたやらコテイカンネンなど、
もろもろの錆ついちゃったモノが
ボロボロといっぺんに洗い出されて、
頭がちょっぴり良くなったような気がします。
(気のせいかも……)

 

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