失うことで 得たものは    (03/11/10)

声がきこえてる
ささやくようだ うたうようだ
こころよい音色に耳をあてている
こころよさに耳をあてている

そんなとき
一瞬 理解する
理解できないことなどないのだと
そしてすぐにおもいかえす
理解できることなどない のだと

失うことを予感しながら
手のなかににあるものを抱きしめる 

響きを感じる
言葉ではなくて
肉体から
じかに響いてくる声を 感じる

意味 ではなくて
いま その瞬間だけ そこにあって
つぎの瞬間には すっかり消えてしまってる
その 響きを 感じる

そのためだけのために
そこにいたのだ

その 一瞬を
わたしの記憶に刻みこむ
わたしのためにだけ 刻みこむ


そして理解する
理解できないということさえも
理解できるということを

そこに確かに
あったのだ
そこにわたしが
いたのだ

永遠になくしたものが
そこには確かにあったのだ

 

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